便秘の予防や改善のために、家で自分でできる方法がいくつかあります。
軽い便秘のうちなら、普段の生活習慣や食生活などを見直すだけでも予防・改善につながるので、次のようなことを意識してやってみてください。
朝食後にトイレに行く習慣をつける
朝起きると、胃は空っぽの状態になっていますが、朝食を食べて胃が膨らむと、その刺激によって腸が動き出す「胃・結腸反射」というものが起こり排便を促します。
「胃・結腸反射」は、朝食後が最も起こりやすいので、このタイミングでトイレに行く習慣をつけることにより、便秘の予防や改善につなげることができます。。
腹筋を鍛える
便秘に最も関わりのある筋肉は、腹筋です。腹筋が弱いと腸のぜん動運動も弱くなり、便を押し出す力も弱くなります。
体操や運動で腹筋を鍛えると、腹部の血行が良くなって腸のぜん動運動を促進し、便をスムーズに押し出せるようになるため、便秘の改善になります。
おなかのマッサージをする
便秘気味の時にお腹をマッサージすると、腸を刺激してぜん動運動を促し、便意を起こしやすくすることができます。
両手の小指以外の指をお腹に当て、おへその周りを大きく「の」の字を書くように時計回りに3分ほどマッサージをします。入浴中や寝る前のリラックスタイムに行うと効果的です。
水分を多めに摂る
体内に水分が少ないと、便が硬くなり腸内をスムーズに移動できなくなりますが、水分を適度に含んだ便は、便の容積が増えて腸に刺激を与え、便意を起こしやすくします。
普段から食事と一緒に水分を多めに摂るようにし、朝おきた時に白湯や牛乳を飲むようにすると、便秘予防になります。
食物繊維を多く含む食品を摂る
便秘の予防や改善に有効なのが、食物繊維を多く含む食品を積極的に食べることです。
食物繊維には、水に溶けて便を軟らかくする働きがある「水溶性食物繊維」と、便のかさを増やして大腸のぜん動運動を促す「不溶性食物繊維」とがあるので、バランスよく摂るようにしましょう。
水溶性食物繊維を多く含む食品には、海藻・サツマイモ・ニンジン・大麦などがあり、不溶性食物繊維を多く含む食品には、大豆・ごぼう・小松菜・穀類などがあります。
発酵食品を食べる
発酵食品とは、微生物の作用により味や栄養価、保存性が高められている食品を指しますが、腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす働きがあります。
ヨーグルトや納豆、味噌、ぬか漬け、甘酒、キムチなどの発酵食品を積極的に食べることにより、腸内環境が良くなるため、便秘の改善や予防につながります。
トイレを我慢しない
便が直腸におりてくると、「排便反射」という反応が起こり、大脳に指令が送られて便意をもよおしますが、トイレに行くのを我慢していると、直腸の反応が鈍くなり、便意を感じにくくなります。
さらに我慢を繰り返すと、自然な便意が起こりにくくなり便秘が進行してしまうことになるので、普段からトイレを我慢しないようにしましょう。
適度な運動をする
運動不足で全身の血行が悪くなると、腸の動きも悪くなって便が長くとどまりやすくなります。特に「弛緩性便秘」は、体力や筋力の低下が原因で起こります。
激しい筋トレなどをする必要はありませんが、意識的に体を動かすようにすると、腸も刺激を受けてぜん動運動が活性化するので、便秘の改善や予防になります。
ストレスを解消する
人間関係でつまづいたり、心配事や不安な事があったりしてストレスが溜まると、自律神経がうまく働かなくなり、正常な腸のぜん動運動に影響を与え、便秘につながることがあります。
ストレスが原因の便秘の場合、頭痛や食欲減退などが一緒に見られることもありますが、休息を取ったり気分転換などをしてストレスを解消すると、便秘も徐々に改善します。