お腹が空くと「グー」とか「ゴロゴロ」と鳴ることがありますが、周囲に聞こえなかったかとヒヤヒヤしたり、時にはその場から逃げだしたくなります。
お腹が鳴るのは健康な証拠ですが、会議中や授業中など、周囲が静かな時に鳴るのは何とか防ぎたいですね。
お腹が空くと「グー」と鳴るのはなぜ?
お腹が空いた時に鳴る音を「腹鳴」と言っていますが、「グー」とか「ゴロゴロ」、「キュルル」など、音の鳴り方や大きさは人さまざまです。
なぜ、このような音が鳴るのかについては、健康な胃腸の働きによるものであることがわかっています。
空腹になると、胃から大腸までかなり強い収縮(ぜん動運動)が断続的に発生し、胃腸内のガスや内容物が次々と押し出されますが、この時に発生する音が「腹鳴」です。
この強い収縮は「空腹時収縮」と呼ばれるもので、次の食事に備えて腸内をきれいにし、腸内細菌の過剰増殖を防ぐ役割があります。
お腹が鳴るのを防ぐ方法
会議中や授業中など、お腹が鳴るのを防ぎたい場合は、次のようなことをためしてみてください。
お腹に力を入れる
お腹が鳴りそう・・・と思ったら、姿勢を正して思いっきりお腹を引っ込めるように力を入れます。
その状態を10秒ほどキープすると、ある程度お腹が鳴るのを抑えることができます。
お腹を引っ込めたり緩めたりを何度か繰り返すという方法もあります。
背筋を伸ばす
お腹が鳴りそうになったら、背筋をピンと伸ばしてみてください。
腹筋と背筋に力が入ると、胃腸の収縮が起こりにくくなり、ガスや空気も通りやすくなるため、お腹が鳴るのを防ぐことができます。
逆に、前かがみの姿勢で胃を圧迫すると、溜まった空気が行き場を失い、お腹が鳴りやすくなるので注意しましょう。
空気を吸い込んでお腹をふくらませる
お腹が鳴る予感がしたら、思いっきり空気を吸い込んでお腹をふくらませてみてください。
胃の中を空気でいっぱいにすると、横隔膜が下がり、胃腸の動きが抑えられるので、お腹が鳴るのを防ぐことができます。
ただし、一時的に胃の収縮運動を止めて体の内部から圧力をかけるという方法なので、またすぐに鳴ってしまう可能性はあります。
背中を軽く叩く
息を吸ってお腹を膨らませた後に、背中を軽くトントンと叩きます。
胃から腸へ、空気やガスをゆっくり移動させることにより、お腹が鳴るのを防ぐ方法です。
手のツボを押す
手の親指と人差し指の骨が交わる凹みに「合谷(ごうこく)」というツボがあります。
左手の「合谷」を右手の親指と人差し指で挟むようにグッと押すと、お腹が鳴るのを抑えられることがあります。
「万能のツボ」と言われる合谷は、胃腸の調節作用のほか、頭痛、眼精疲労、肩こり、歯の痛み、視力低下、精神安定など、幅広い症状への効果も期待できます。
体を動かす必要もなく、手軽にできるのでためしてみてください。
小さめのお菓子を食べる
食事の後、約4時間経つと胃の収縮運動が起こりますが、お菓子などを食べて胃を空にしなければ起こりにくくなります。
特にお腹が空いたと感じた時に、チョコレートや飴など甘いものを食べると、血糖値が上がり胃腸の運動が抑えられるので、お腹が鳴るのを抑えられます。
水やジュースを飲む
お腹が空く時間帯がわかっている場合、あらかじめ水やジュースを飲んでおくと、お腹が鳴るのを抑えられることがあります。
胃が空になる前に何かを胃の中に入れておくことにより、収縮運動を起こりにくくするという方法です。