風邪をひいた時など、のどに痰が絡んでつらい時があります。あまり頻繁に痰がからむと、仕事や勉学に集中できなかったり、不眠になることもあります。
痰が絡んだ時の対処法がいくつかあるので、ためしてみてください。
痰とは何か・痰の正体は?
そもそも痰とは何なのか、痰の正体を知っておきましょう。
のどの内側にある気道の粘膜は、常に少量の分泌物で覆われています。
ところが、風邪などをひいて細菌やウィルスが気道に入り込むと、分泌物が増加して死んだ細菌やウィルスを含んだ塊となります。
それが痰ですが、痰には気道に入り込んできた異物を体外に排出する役割があります。
風邪でのどに痰が絡む時、自分でできる対処法は?
風邪をひいて痰がのどに絡む時、次のような対処法をためしてみてください。
温かい飲み物で痰を柔らかくしてから出す
ネバネバした痰は、のどが乾燥していると張り付いて取れにくくなります。
温かいお湯やお茶などを飲んでのどを潤すと、痰が柔らかくなり移動しやすくなるので、それから吐き出すようにしてみてください。
温かい飲み物にはちみつを入れて飲むと、のどを潤すとともにのどの痛みも和らげることができます。
部屋を加湿する
風邪をひいていて痰が頻繁に出る場合は、部屋を加湿して乾燥からのどを守るようにしてください。
空気が乾燥していると痰ができやすくなり、のどに絡んで吐き出しにくくなります。
部屋に加湿器を置いて湿度を一定に保てればベストですが、加湿器がない場合は部屋の中に濡れたバスタオルをかけて置くだけでも効果があります。
下を向いて咳をする
通常、のどに痰がからむと、咳をしてその勢いで外に痰を吐き出します。
しかし、力を入れて何度も咳をすると、のどを傷めるばかりでなく体力を消耗します。
下を向いて「ゴホッ、ゴホッ」と軽い咳をし、息を吐き出しながら痰をのどの奥から移動させると、効率的に痰を出すことができます。
マスクをする
痰が頻繁に絡む時、マスクをつけると保湿対策になり、痰が柔らかくなって出しやすくなります。
また、汚れた空気が呼吸器へ入り込むのを防ぐことができ、のどの粘膜への刺激も少なくなるので、痰の生成も少なくなります。
睡眠中もマスクをつけると、同様の効果が得られます。
辛いものを避ける
風邪をひいている時は、のどの粘膜を刺激すると咳や痰がひどくなる傾向があります。
辛いものや味の濃いものなど、のどを刺激する食べ物を避けるようにすると、痰の出方も少なくなってきます。
パイナップルジュースを飲む
パイナップルジュースには、たんぱく質を分解する働きを持つ「ブロメライン」という酵素が含まれています。
そしてこのブロメラインには、喉を潤して炎症や痛みを緩和し、痰を切れやすくする効果があると言われています。
ただし、加熱処理すると効力を失ってしまうので、生のパイナップルをフレッシュジュースにして飲むか、市販の100%果汁のパイナップルジュースなどを選ぶようにしましょう。
市販薬を飲む
風邪をひいて痰が絡む咳がいつまでも抜けない場合は、市販の「鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく)」を飲むのもひとつの方法です。
カプセルタイプのものや、錠剤タイプ、粉末タイプ、トローチなど色々なものがありますが、副作用を生じるものもあるため、注意書きを良く読んだ上で、飲みやすいものを選んでください。
このような痰は要注意
のどに痰がからむ原因は風邪によるものが最も多くなっていますが、時には他の病気による場合もあるので、注意が必要です。
特に痰の色は、よく観察しておくようにしましょう。
風邪による場合は通常白色透明ですが、黄色や黄緑色、褐色の場合は肺の病気や感染症などが考えられます。
また、発熱や呼吸困難を伴ったり、痰と咳が数ヶ月以上続く場合なども、医療機関を受診して詳しい検査を受けるようにしてください。