目の周りや口の周りの細かいシワは、時には20代、30代の若い世代にも見られます。
「表皮シワ」とか「乾燥小ジワ」と呼ばれるこのシワは、年齢肌に深く刻まれたシワとは異なるので、対策を取ることにより薄くしたり殆ど目立たなくすることもできます。
目や口の周りにできる細かいシワの正体は?
肌は、「皮下組織」「真皮」「表皮」の3層構造になっていますが、一番外側の表皮はさらに4層構造になっています。
その4層のうちの一番外側にあるのが「角質層」で、肌が乾燥すると角質層にある角質がはがれ、潤い成分が蒸発して肌に隙間ができてきます。
これが目や口の周りにできる細かいシワの正体で、このまま放っておくと肌が荒れたり、大きな深いシワへと進行してしまうことがあります。
顔に細かいシワができる原因は?
顔に細かいシワができる原因としては、次のようなことが考えられます。
肌の表面の乾燥
表皮にできる細かいシワの最大の原因は、肌の乾燥です。
肌の一番外側にあって水分を蓄えている「角質層」は、汗と皮脂でできた皮脂膜に守られていますが、肌が乾燥すると皮脂膜も乾燥して角質層を守ることができなくなります。
すると、角質層にある角質がはがれ、水分やその他の潤い成分が蒸発して肌に隙間ができ、それがシワとなります。
間違ったスキンケア
1日に何度もクレンジングや洗顔をすると、肌表面で水分の蒸発を防いでいる皮脂膜まで取り除いてしまうため、表皮シワができやすくなります。
洗浄力の強いクレンジング剤や洗顔液を使用したり、肌を強くこすったりする場合も同様です。
また、熱い湯での洗顔も肌に負担をかけ、皮脂膜を取り除いてしまうため、乾燥しやすくなります。
紫外線
紫外線は、表皮の細かいシワばかりでなく、ほうれい線などの大きなシワの原因にもなります。
肌は、わずか数分でも紫外線を浴びると、ダメージを受けます。肌表面が乾燥して小ジワができやすくなる上、ハリや弾力を保っているコラーゲンを切断してしまうので、大きなシワやたるみの原因にもなります。
その他
その他、顔表面にできる細かいシワの原因として、加齢による肌組織の衰え、タバコ、睡眠不足、偏った食生活などがあげられます。
目や口の周りのシワ対策
目や口の周りの細かいシワを改善したり予防するための対策として、次のようなことがあげられます。
肌の乾燥を防ぐ
表皮の小ジワの大きな原因である肌の乾燥を防ぐことが、改善や予防対策の第一歩です。
特に空気が乾燥する冬は、加湿器などを利用して室内の湿度を60~70%に保つことにより、肌の乾燥を防ぐこともできます。
また、夏でもエアコンの影響で室内が乾燥していることがあるので、こまめに湿度をチェックする必要があります。
スキンケア
表皮にできた浅いシワなら、スキンケアによる改善が期待できます。
洗顔後や肌を手で触れてみてカサカサしているような時は、化粧水などでたっぷりと水分を補給するほか、保湿成分の入った美容液やクリーム、オイルなどで、水分と油分を補っておきましょう。
保湿成分には、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどがあります。
また、目の周りの小ジワが気になる場合は、アイクリームを使用するという方法もあります。
紫外線から肌を守る
顔のシワを防ぐには、紫外線から肌を守る必要があります。
屋外に出る時は日焼け止めクリームなどで肌を保護するほか、帽子や日傘などで直射日光から肌を守るようにしましょう。
また、目の周りの小ジワを防ぐために、サングラスで目の周囲を覆うのも有効です。
マッサージをする
できたばかりの小ジワなら、シワの上から丁寧にマッサージをすることにより、改善させることができます。
爪を立てずに人差し指、中指、薬指の3本の指で、「の」の字を書くようにシワの部分を上からマッサージをしてみてください。
マッサージを毎日続けることにより肌の血行が良くなって、肌の栄養分の吸収と老廃物の排出が促進されます。その結果、肌がハリを取り戻し、シワを目立たなくさせることができます。
パックをする
パックを利用して小じわを改善することもできます。
市販のパックは、水分や肌に良い成分を閉じ込めて肌に吸収させる目的で行いますが、自分の肌に合うものであれば、だんだん小ジワが目立たなくなってきます。
ただし、合わないものを使用すると逆に肌が荒れることもあるので、成分を良くチェックし、自分の肌に合うものを選ぶことが大切です。
肌に良い栄養素を摂る
すぐに効果が出るというわけではありませんが、新陳代謝を促進して体の内側から小ジワを改善するには、肌に良い栄養素を摂ることが大切です。
良質なタンパク質のほか、肌の代謝を促進する「ビタミンB群」、抗酸化ビタミンと呼ばれる「ベータカロチン」、コラーゲンの生成を促進する「ビタミンC」、血行を良くする「ビタミンE」などが豊富な野菜類や果物類、豆類、肉類、魚介類、海藻類をバランスよく、しっかり摂りましょう。